奪いとれっ!!
強い口調で目もマジだ。


やだ、怖いよ遼さん。なにムキになってんの?

今まで見たことないよ、そんな怖い顔。



「.....へ、平気だから...」


戸惑いながらも答えると、


「ならいいけど」


私の腕を開放してくれた。


「瑠理香に何かあったら大変だからさ」


独り言のように遼さんは呟いた。


「......えっ、何?」


「いや、別に」



きっと、幼馴染の私を心配してくれているのだと思う。


ひとりっ子の私にとって、遼さんはお兄さんみたいな存在で小さい時は私の王子様を気取ってたなぁ。


それが今じゃ....プレイボーイだもんね....。


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