奪いとれっ!!
「俺んちの車まわそうか?」


えっ?


「やっぱり瑠理香のこと心配だし、俺んちの車で送迎させるよ」


「....いっ....いいよ。そこまで大袈裟じゃないんだから」


「遠慮すんなよ。どうってことないし」



どうってことあるでしょ。


車で送迎なんて恥ずかしいし、学校と家の往復なんてつまらないし。


まして、遼さんちに迷惑がかかっちゃう。


ここは丁重にお断りしないと。



「遼さん、ほんとに大丈夫だから、ねっ」


両手を前に合わせて作り笑顔で誤魔化してみる。


「危ないトコ行かないし、明るいうちに帰って来るし、ねっ」


もう一度笑ってみせる。



「....うーん、そこまで言うなら....明るいうちに本当に帰って来いよ」


良かった。私は胸をなでおろした。

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