奪いとれっ!!
「お父さん、俺はあんたの生き方を絶対に許さない。たとえ母が許しても」


強い口調だった。


「遼さん」


堅斗は遼に視線を向けた。


「俺はあんたに命を助けてもらったことがある。だから俺はあんたに恩がある」


遼は堅斗の視線をまともに見れずに顔を伏せている。


「瑠理香が好きなら正々堂々と俺と戦えばいい。俺はまだ半人前だけど、これから沢山勉強して大学行って、社会人になって必ず一人前の男になる。
一代でこの岩清水建設を大きくした父さんの血が、俺にもあんたにも流れてる」


堅斗は不敵に口元を上げた。


「俺は絶対に負けない」


改めて、お父さんと遼を睨んだ。


「俺は瑠理香を正々堂々と......奪いとるっ!!!」



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