奪いとれっ!!
獅倉くんの顔が近づく。


あっ、あ、どうしよう。

いきなりファーストキス?


わ、わ、わ......。


思わず、ギュッと目をつぶる。




......。


......。


......?


........ん?




「バーカ」



投げられた言葉は意外なもので.....。



彼は掴んでいた手首を離すと、おもむろに立ち上がりキッチンへと向かい食器棚からカップを出した。


しばらくするとコーヒーの香りがゆっくりと漂う。

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