奪いとれっ!!
「.....ミルクと砂糖は適当」


テーブルの上にコーヒーの入ったカップを二つ置いた。


「ど、どうも...」


「あんた、甘いんだよな」


甘い....ですか?


「青蘭のお嬢様らしいけどさ」


と....言いますと?


「青蘭狩り知ってる?」


「はい。2、3日前に聞きました」


「俺も詳しくは知らないけどさ、青蘭のお嬢様ホイホイ引っかかるらしいね」


.....?


「どうしてそんなこと知ってるんですか?」


「噂....」


「その噂どこから聞いたんですか?」


「.....俺さ、自分から引っかかる女は自業自得だと思うわけ」


私の質問を無視して獅倉くんは言葉を続ける。


「あんたは違ってたから助けたんだけどさ....やっぱお嬢様ってのは根底は一緒かなーって....」


.....獅倉くん?



「誘ったのは俺だけど....普通は用心して部屋には入んないんじゃないの?」



「.....あ、そ、そうですよね。玄関までとか....あ、でも『入ったら』って言われたし、いいかなー、なんて.....」


あっ、もしかして。


「私を....試したんですか?」



「.....別に..」

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