奪いとれっ!!
「知らない男の部屋にノコノコ入ると、危険な目に遭うって思わなかった?」


「だって知らない人じゃないし、獅倉くんは私を助けてくれた人だから...」


「だから....安全だと思ったわけ?」


コクリ。


無言でうなずく。



「俺は確かにあんたを助けたけど、知り合いじゃないだろ」



コクリ。


「青蘭のお嬢様らしいぜ。家族団らんが当たり前じゃない世界もあるんだぜ」



コクリ。



「ったく、警戒心のかけらもないわけ?俺は平気であんたを襲える男なんだよ」


”ガチャン”私はテーブルに両手をつき、

「そんなことない!獅倉くんはそんな人じゃないよっ!」


体を乗り出して訴えていた。


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