奪いとれっ!!
「だって、私を助けてくれたじゃないですか。それだけでもいい人だと思います。あの時、私の前を大勢の人が通ったけど、誰も助けてくれなかったし」


気づいてくれなかった....ってのもあるけど。



「だから獅倉くんは私にとって救世主さんだし、ってことはいい人なんです」


「.....いい人ねぇ...」



「はい、だってすごい勇気のいることじゃないですか。3人を相手にするんですよ」


「あいつらはたいしたことない」


「知ってるんですか?」


「いや、別に。見た目からして弱そうだったから」


そっか。


「とにかく、獅倉くんはいい人なんです。だから気を許した私は悪くないと思うんです....けど」


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