奪いとれっ!!
と.......。


またしても獅倉くんに手首を掴まれ、グイッっと引き寄せられる。


向かい合って座っていたから急接近っ。


こ、今度は何?


またしても心臓は早鐘を打ち.....壊れそう。


「俺があんたに無理矢理キスしても、あげく襲っても、いい人か?」



......。


私を助けてくれた後のあの笑顔。

心配して話しかけてくれた時の優しい声。


そんな人が私を襲う?


絶対ない。


ほんとは心の優しい人だってわかるよ。



「.....獅倉くんはそんなことしないです。私にはわかる」


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