奪いとれっ!!
電話を終えたゆず子が戻ってきた。


「ごめんね瑠理ちゃん、今からウチを出るから30分位かかるみたいなんだけどぉ」


「いいよ、一緒に待ってるし」


「ほんと、ありがとうっ」


嬉しそうなゆず子は小リスみたいで可愛かった。


甘え上手なんだよね、ゆず子って。


ちょっと羨ましい。


私はどちらかってば女っ気ないし、甘えるの苦手だし。



「こんにちは、お嬢さん」


「はっ?!」


驚いたゆず子は私の腕にしがみついて来た。

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