Life

けで安堵の表情を浮かべる。



絢美と史奈は出掛ける。事務所には亜希と祐貴が二人きり。亜希は祐貴にコーヒーを出す。祐貴は、

「そんな…コーヒーは僕が入れますのに…。」

亜希は祐貴に向かい合うように座り、にっこり、

「君は、史奈さんが絢美を誘ったのは何かあるか知っているみたいだね。

「……。」
「私に知れてはいけない事？」
「…いえ。（きれいな目…。）」
「共犯者だね。」
「いえ、…僕が黒幕かも知れません。」
「君達夫婦に何かあった？」
「…なかなか聞けないんです。僕…男だし、デリケートな事ですから。」
「何が？絢美に聞けないなんて夫婦なのにどうかしてる。」
「…絢美さんの…異変に気付いてみえられますか？」
「は？」
「明らかに体調が優れていない。」
「…確かに体調は良さそうではない。それは薄々感じていた。」
「…お腹に…その…命を宿しているのかな…と。」

亜希は一瞬動揺するが、笑って、

「それは幸せな事じゃないのかな？夫婦なら子供が出来ても当然だよ。それなりの事してたんだね。」
「あの…まだ、お義兄さんや姉さん達には言わないで下さい。きちんと知ってから説明したいんです。」

亜希は祐貴に近付き、優しく撫でて、

「いいよ。兄的な意見としては、自分達で見つけて欲しかったなぁ。あつきのお嫁さんに知恵を与えられるよりさ。」
「…ごめんなさい。」
「ま、いいよ。そっかぁ…ますますおじさんになるなぁ。」
「お義兄さんは？」
「ま、ゆっくりとですよ…（ぼそりと）何もかも背負うのは私だけでいい…。」
「？」
「ただの独り言ですよ。」
「はぁ…。」
「さてさて、るすばんるすばん。」

亜希は席へと戻る。



絢美と史奈は買い物。
「二人で買い物なんて初めてだね。まぁ、阿由葉もいるけどね。」

史奈が言うと、絢美は嬉しそうだ。だけれどやはり体調が思わしくないようでたまに歪むカオ。史奈は、

「絢ちゃんは、どんな柄がお好み？」
「落ち着いたのがいいな。ベージュとかブラウンとかさ。チェックもかわいいなぁ。」
「ふふふ。」


ちょこちょこ歩く阿由葉は、史奈に甘える。

「なあに？だっこね。」

史奈は阿由葉を抱く。
「あゆもお姉さんだねぇ。」