Life
ん。」
「いいよ。でも、絢ちゃんくらいは言わせて?付き合ってた時を忘れたくない。初々しい、あの初心を忘れたくない。大切な時間だから。蜘蛛を払って、抱いて、キスした時や、部屋で過ごしてばかりいたこと。姉さん達に何度も仕組まれて。蜘蛛は先祖と言われるんだよ。先祖がくっつける為に来た。なんて考えたい。」
「祐貴さん…。」


絢美が分娩室を出ると、麻友美と悠太(悠真と芽衣を抱いている)、あつきと史奈(阿由葉はちょこんと座っていて、あつきは恵を抱いている)、祐貴の両親(やはり娘である麻友美のそばにいて、悠真と芽衣にべったり)、亜希(いづらそうだけど、絢美にとって時には父親のような愛で包み込んでくれている大切な兄。弟であるあつきのそばにいる)
みんなに祝福される。

「女の子だ。抱いていい?」

みんな言う。(やはり両親が先、次は絢美の兄達。最後は麻友美達。

「赤ちゃんも騒がしいなんて思っているのかな?」

祐貴が言うと、絢美は笑う。母は、

「名前はどうするの?」

祐貴は、

「二人で考えようと思っています。」

絢美は、

「祐貴さんの子供ですから、゛祐゛という字を使いたいのです。」

絢美は赤ちゃんを抱いて、

「やっと会えたね。よく頑張ってくれて、いい子ね。」

阿由葉は、

「ママ、赤ちゃんかわいいね。」

史奈は、

「恵は?」
「けーは私についてないものついてるもん。おねえたんたちの赤ちゃんついてないよ?パパにはついてて、にぎにぎすると痛がるんだよ。」

みんな噴き出す。史奈は、

「…恵は男の子だからね…可哀相だからにぎにぎはやめなさい…。」
「けーのちいちゃいよ。パパのおっきいもん。」

あつきを除く男達は

(若造、大きいことは勇者だぞ。)←父
(お兄さん大きいんだぁ。じゃあ恵君もすごく大きくなるぞ。子孫繁栄。)←悠太
(お義兄さん大きいのですね。ふふふふふ。)←祐貴
(あつき、大きいんだね。子供は嘘付かないね。…って事は私も…。…複雑かも…。)←亜希

あつきは赤くなって、

「良からぬ想像しないでください。…こら、あゆ。」

阿由葉は泣いて、

「だってパパ、けーばっかり抱くんだもん。」

あつきは恵を史奈に渡して、

「抱いて
< 26 / 52 >

この作品をシェア

pagetop