Life
逆らえません。」
「はい、伝えておきます。」
「楽しみにしております。何より妻がノリノリになると思います。では、長話をしてしまってすみません。」


切る。
悠太が来て、

「父さんも話し長いねぇ。母さん、ヤキモチ妬かないか?ま、絢ちゃんだからいいね。」

絢美は、

「何かあれば悠君に話してと言ってたよ。」
「聞くよ。どうせ悠真と芽衣に会いたいのだろ?里菜ちゃんは里菜ちゃんで、子供達を見てはほお擦りしたりして。まあ、里菜ちゃんもママになるし。」
「お姉さん?」
「幼いとき、基本的にはアニキと遊んでたけど、たまにオレとも遊んだからね。それに、弟と同級生だし。まあ、弟同士も幼なじみだからその繋がり。事実を知るなり、あのヤローよそよそしくしやがって。オレは普通でいいと言っているのに。今は怒ってやったから何とか保ててるけどさ。連絡は取れるし。」
「ふふふ。だって悠君、お坊ちゃまなんだもん。」

絢美が言うと亜希は、

「まあ、癖が悪い。むりやり手に入れようとするわ、嫉妬深い。」

悠太は挑発して、

「嫉妬はしない。苦しむ人もいることがわかったから。私は私らしく、麻友や子供達、家族を愛する。」

祐貴は、

「珍しい。考え方が大人になった。」
「父親だし。まるくならないといけないさ。」
「もっと前からまるくていてほしかったなぁ。お義兄さん。」
「収穫はこんなにかわいい弟だ。」

ぎゅっ!?

「わっ、離せ!?」

バタバタ。絢美とあつき夫婦は笑う。ただ、穏やかでない亜希。それを見て、何かを思う麻友美。


旅行の概要も決まり、いざ決行の時がくる。
悠太の父の取ったバス。
待ち合わせ。悠太の両親と兄と少しお腹がふっくらした里菜と奈央。和也は終始、身重な里菜と手を繋いでいる。

「おはようございます。」

亜希らは挨拶をする。母は亜希ら兄弟がかわいくてしかたないようだ。特に亜希には特別な想いを抱いている。
「あんなに小さかったのに、甘えん坊だったのに、こんな色男になっちゃって。嬉しいわ。

「ありがとうございます。私はそれほどではございません。兄弟で唯一の独身ですから。」
「いや、きっとモテてるはずだわ。彼女はいるでしょ?甘いカオしてるもの。世の中の女性が見過ごすわけないわ。」
< 36 / 52 >

この作品をシェア

pagetop