Life
「ふふふ。」


奈央と阿由葉は悠太と麻友美の後ろの席(あつきらの横)で二人で仲良くしている。何かないようにたまに気遣いをみせるあつきと亜希。
阿由葉は亜希に、

「お兄ちゃん楽しいよ☆」

と言う。亜希は優しく、

「あゆ、よかったね。」
「うん☆」

阿由葉が言うと奈央が、

「女の子は、はぁい。って言うんだってかじゅお兄ちゃんが言ってたよ。」
「はい?」
「はぁい☆」

阿由葉はにっこり、

「はぁい☆」

と言う。史奈は思わず笑ってしまう。

「かわいい。」

あつきは優しく史奈を寄せる。

「もう…何よ。」
「かわいいから狙ってみようかなって思ってみた。」
「いいわよ。私はあなたに従うだけ。」
「たまには拒んでよ。」
「理不尽な時は拒むわ。だって私はあなたが好きで好きでたまらない。」
「どこがいいの?聞いてみたい。」
「そうね、優しい人だし、ついていこうと思える事かな。私はあなたしかいないから。初恋だけどさ。いつも気遣ってくれてさ。お姉さんがいたことも大きいかな。嫉妬して責めた時に気付いたの。それは間違いだって。私はこの人と結婚すると。だからね、信じてる。信じないでどうするの」
「史奈…。」
「杜月橋で誓った事、覚えてる?中学校の帰り道、ずっと一緒にいようね、って。いつか、子供が生まれて、おじいさん、おばあさんになっても、ここを歩いて、いろんな景色を眺めたいね、って。阿由葉と恵と、まだ小さいし、なかなか帰れないけどいつかきっと実現したいね。」
「そうだね。」

それを聞いていた絢美。にやりとメモをとる。



絢美らの両親らとの待ち合わせの場所。絢美の両親、兄夫婦と赤ちゃんがいる。
悠太の母と絢美の母親は抱き合う。

「あさみ、ありがとう。」

絢美の兄は、

「お久しぶりです。」

と頭を下げる。

「子供だったのに。そうね、大人だもの。」
「弟や妹達がお世話になっております。」
「こちらこそ、うちの次男坊達がお世話になって。」
「懐かしく思います。弟の亜希がべったりくっついて、お気に入りだったこと。私は亜希より3つ上ですからはっきりと覚えています。亜希は何となしにしか覚えていないみたいですけど。」
「そうみたいですね。大人になって彼を見
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