Life

でもね、久しぶりに兄弟に会えたのに。一人は寂しいんだぞ。あつきがいきなり出ていくし。まあ、それがあつきにとっての幸せならば咎めないし、無理矢理戻したりしない。兄弟に生まれたのだし、愛してるよ。」
「兄さん。」
「あつきと絢美を頼んでいるのだから。」

阿由葉はじ〜っと兄と亜希を見ている。

「あまり会えないからわからないか。おじさんだよ。」

兄は阿由葉を抱く。

「おじたん？」

亜希は阿由葉の頬に触れて、パパのお兄さんだよ。」
「パパのお兄たん？あり？お兄たんはお兄たんしかいないのら？」

亜希は阿由葉を手招きして、抱いて、

「お兄ちゃんのお兄ちゃん。パパに聞けばわかるよ。あゆ。」

亜希は阿由葉をくすぐる。阿由葉は笑って、

「お兄たんやめてよ。ははははは。くしゅぐったぁい。」
「あゆ。」

絢美が休んでいる時は子守が多い亜希の阿由葉の扱いは手慣れている。かわいいのと…切なさ。


旅館に着く。
古風な旅館。
みんなはバスから下りる。奈央は母に抱かれて、阿由葉は亜希に抱かれ、悠真は悠太に抱かれてバスを下りる。身重な里菜は和也にエスコートされて最後に下りる。（おりるの時間かかるだろうから。里菜は最後には和也に倒れ込むみたいになる。

「きゃっ！？」

受け止めた和也は、

「大丈夫だよ、お姫様。」
「和也ごめんね…お腹、重くて制御できない…。」
「大丈夫。タフだし。妻を守れないなんてダメな夫だ。それに、吹奏楽部でバリサク持ってたから重いのは大丈夫なほう。」
「私は重いものなの？」
「里菜は愛しい妻だよ。」

お腹なでなで。

「信じていいの？」

和也は里菜の左手の薬指にあるリングに、

ちゅっ

とキスをして、

「幸せにすると誓ったはずだ。」
「はい。」

和也は荷物を持ち、里菜とそっと手を繋ぎ、行く。


部屋割り、

●悠太の両親+奈央と絢美の両親。
●麻友美と悠太+子供と絢美と祐貴+実祐菜。
●亜希とあつきと史奈+子供。
●絢美たちの兄と嫁+子供と和也と里菜。


麻友美たちの部屋。両家の両親以外みんな集まっている。奈央と阿由葉は仲良く話している。

里菜は、

「ふふふ、かわいいね。」

悠太は、