Life

子よ。ママが１６の時に、暴力を振るわれてキサさんを身ごもって、その男によって水商売をさせられた。何人もの男にぐちゃぐちゃにさせられて、誰の子供かわからない子供を身ごもってしまった。その子供は階段から落ちて流産したらしい。それでね、キサさんの父親から毎日求められて、その後３度妊娠したらしいわ。その３人は全員男。父親に里子に出されかけたけど死守したみたい。それを見ていたキサさんは、親子ということを従業員に隠して、同じ店で働いた。弟３人に救われて、何とか抜け出せたみたいね。」
「え…初めて聞いたわ…。」
「キサさんは結婚して３人の子供を産んで、ママを看てる。父親の脅しに脅えているけど、弟達が守ってる。父親はアル中でね。賭博に手を出して今は牢獄にいるみたい。でも、いつ戻ってくるかわからないから。」
「……。」
「〇〇の□□に住んでるわ。行ってあげたら？あさみがどうなったかは言ってないけど、心配してたわ。」
「……。」
「私達もいるわ。逃げる為に引っ越しを繰り返して、やっと落ち着いたみたい。近づかないように裁判かかったのだから。」
「…会ってみたいわ。でも、最初が年を騙して、妊娠してることも隠してた。…問題児だったのよ？」

ナオキは、

「会ってみないか？あさみを不安にさせたのは私だ。和也を身ごもったあさみは私に告げた。動揺した私を見て逃げた。奈央はまだ小さいけれど、和也は里菜ちゃんと結婚して、里菜ちゃんのお腹には命が宿っている。悠太は麻友美ちゃんと私らと同じようにできちゃった婚をして、二人も子供がいる。あさみがおばあさんである報告だけでもいいから。あさみを愛してる人間は多い。」
「…わかりました。」

ナオキはあさみの髪を撫でて、

「昔、沢山迷惑かけた。困らせて、悩ませて、あさみの思うようにいちゃいちゃ歩くなんてできなかった。今、やっとできると思ったらこの年だろ？私は５０を越えた。」
「いいよ。幸せだから。いちゃいちゃ歩きたい。」
「わかりました。」

絢美の母は、

「優しい旦那さんね。」

そこへ、

「母さん、奈央連れて来たよ。」

和也が来る。

「ありがとう。」

奈央は、

「ママぁ、楽しかったよ、あーちゃんとたくさん遊んだよ。」
「そう。奈央、いらっしゃい。」

奈央は母に抱き着く。