Life
わ。で、どこにいるの?」
「寝てます。」
「祐貴

まだなの?ねぇ、」
「……。」
「だってさ、麻友はお嫁さんに出しちゃったでしょ?祐貴は坂井姓でしょ?お兄ちゃんが独り者だから。息子の子供って楽しみじゃない?」
「…待ってよ。急かすのも良くないし。」

母はルンルン。祐貴は、

「ねぇ、母さんは僕がお腹にいるとわかった時どうだったの?」

母は椅子に座っている祐貴を後ろから優しく包み込んで、

「そうねぇ、麻友と続いてたからね。嬉しかったわよ。そりゃあ、悪阻はきつかったわ。パパがね、麻友が生まれて間もなかったでしょ?バカだから手加減知らなくて、喜んで麻友をきつく抱いたから麻友がゲホゲホしちゃってさ。お兄ちゃんが心配して泣いちゃってさ。バカでしょ?祐貴は優しいから、あまり蹴らなかったかな?逆に元気に生まれてくるか不安になっちゃって。」
「……。」
「愛らしかったわよ。麻友と仲良く眠ったりね。ふふふ。兄弟仲良しでよかった。幸せよ。」
「幸せ?」
「当たり前じゃない。3人もかわいい子供に恵まれて。生むのは大変よ。でもね、それ以上の感動があるの。さてと、悠真くん抱きに行こ。」
「母さん?」
「ん?」
「母さんの子供でよかった。」
「きやぁ、感動してキスしちゃうわよ。祐、ありがとう。感謝されると産んでよかったなんてね。母親冥利につきるわ。」

母は目を少し潤ませる。しかし、母親としてばれまいようにしている。史奈はホロッとする。



2時頃、会社に来客。取材だ。

「社長様は見えられますか?」

祐貴は、

「社長はayaに付いておりますので、ayaの予定は…3時頃には戻ると思われます。」

客は

「待たせて頂いてもよろしいですか?」
「どうぞ、あ、コーヒーでもいかがですか?」
「ありがとうございます。いただきます。」

祐貴は用意しようとする。史奈は、

「私がするわ。」

と言う、祐貴は、

「私は一番下っ端ですので。」
「え、でも…。」
「妊婦さんです。悪阻がありますのに無理は禁物です。」
「大丈夫よ。」
「もしものことがありましたら専務に殴られます。」
「あっちゃんはそんな事しないわ。」
「いいんですか?子供さん達を見に行って下さい。」
「あゆとまぁ君は、
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