視線の先


「…木葉さん」


昴が繋いでいる手に力をいれる


痛くはない程度にギュッと握られる


「俺が来たとき、黒木さんと何してたんですか」


声が微かに震えている


「何も、してないよ」


「…嘘だ!
だってあの時、木葉さんは黒木さんとキスしてたじゃないですか!!」


…キス?


誰と誰が?


私と哲が?


「ありえない!
断じてしてないし!
からかわれてただけでキスはしてません!」


< 10 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop