もう一度だけでも逢えるなら
 クリスマスパーティーは、深夜一時三分スタート。

 日付は変わり、十二月二十五日、月曜日。もちろん、今日は仕事。

 みくさんも仕事だけど、今日は休むという。ちなみに、みくさんの仕事は、カフェの店員。

 私は寝ないで仕事に行くつもり。

 徹夜で飲むのは疲れる年頃。

 それでも、みくさんと一緒に飲む。

 みくさんの愚痴を聞いてあげる。

 水樹と二人でみくさんを慰めてあげる。



 一応、水樹のグラスにもシャンパンを注いだ。

 まなちゃんはもう眠っているので、三人で乾杯した。

 みくさんは浴びるようにシャンパンを飲んでいる。

 あっという間に空になってしまったので、次はワイン。

 みくさんはワインも浴びるように飲んでいる。

 

 あー、私は男を見る目がないな。

 どうしてあんな男と付き合っちゃたんだろう。

 二年間、無駄にした気がするな。

 

 みくさんはワインを飲みながら、次々と愚痴をこぼす。

 まるで以前の自分を見ているよう。



 いつかきっと素敵な人に巡り合えるよ。

 そうだよね。そう思わないとやってらんないし。

 俺はホモだけど、この世の中にはいい男がいっぱいいるぞ。

 もうホモって言わないでよ。



 三人の笑い声が響き渡る。

 近所迷惑も何のその。
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