もう一度だけでも逢えるなら
 ふわあ、飲み過ぎちゃった。

 みくさんは酔い潰れて眠ってしまった。

 私がみくさんの体を抱き上げて、ベッドに移してあげた。

 時刻は、午前三時二十七分。

 みくさんは寝言を言いながら、すやすやと眠りに就いている。

 

 それにしても、可愛い寝顔だな。

 みくさんのことが好きなの?

 俺が好きなのは、紗優だ。

 わお。本当に?

 本当だ。

 私のことを愛してる?

 その言葉は、まだ言わない。

 どうして?

 恥ずかしいからだ。



 好きと言ってくれただけで満足。

 何よりも嬉しい言葉。

 何よりも嬉しいクリスマスプレゼント。

 人生最高のクリスマスイブの夜。



 天使の姿が見えるみくさん。

 私より若くて可愛いみくさん。

 水樹の姿が見える人は現れないと思っていたから、私は内心焦っていた。

 勝手に恋のライバルだと思っていた。

 みくさんのおかげで、水樹の私に対する気持ちがわかった。

 ありがとう、みくさん。
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