もう一度だけでも逢えるなら
 水樹は今日も六時に出かけていった。

 みくさんは、六時半過ぎに目を覚ました。

 二日酔いにも関わらず、後片付けを手伝ってくれた。

 さゆさん、私に付き合ってくれて、どうもありがとうございました。きちんとお礼を言ってくれた。

 水樹さんにお礼を言っておいてもらえませんか?

 うん。帰ってきたら伝えるね。

 それでは、私は帰ります。また何かあったら、相談に乗ってもらえますか?

 もちろんよ。いつでも遊びに来てね。

 

 みくさんはまだ二十三歳。

 いくらでもやり直しがきく。

 今回のことで、いろんなことを学んだと思う。

 今日から人生、再スタート。



 もう二度と自殺しようなんて考えないでね。

 はい。もう二度と考えません。さゆさんと約束します。



 昨日は気が動転していただけ。根はいい子なのかもしれない。

 だから、天使の姿が見える。

 私はそう思う。



 また水樹の姿が見える女性が現れても、もう大丈夫。

 どんなに美人な女性でも。

 水樹は私だけのもの。

 二人の愛は揺るぎない。

 私はそう確信した。
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