もう一度だけでも逢えるなら
 三月三日、雛祭りの夜、水樹が小さな女の子を連れて帰ってきた。



 名前は、かなでちゃん。

 歳は、七歳。

 服装は、上がピンクと白のストライプのセーター。下が紺色の長ズボン。

 靴は、ベージュ色の運動靴。

 赤色のランドセルを背負っている。

 髪は、おかっぱ。

 つぶらな瞳が可愛らしい。



 かなでちゃんは、水樹の次の天使だという。

 突然の出来事に、私は驚きを隠せなかった。

 水樹の次の人が来たということは、別れの日が近いということになる。

 かなでちゃんが一人前の天使になったら、水樹の任期は終わり。



 私は複雑な気持ちで、かなでちゃんを部屋に招き入れた。
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