もう一度だけでも逢えるなら
11 あの日の空を忘れない
今日は、家族三人でピクニック。
私のお弁当。
まなちゃんのお弁当。
麦茶と小岩井ミルクと缶ビールの入ったクーラーボックス。
ハンカチ。
ハンドタオル。
ティッシュ。
ウェットティッシュ。
レジャーシート。
日除けパラソル。
日焼け止めクリーム。
こないだ買った麦わら帽子。
忘れ物は……ない。
「かなで、そろそろ行くよ」
「うん。ちょっと待って」
かなでは、八歳になった。変わらず赤色のランドセルを背負っている。
私は、三十二歳になった。あと、七十五年、生きなければならない。
私のお弁当。
まなちゃんのお弁当。
麦茶と小岩井ミルクと缶ビールの入ったクーラーボックス。
ハンカチ。
ハンドタオル。
ティッシュ。
ウェットティッシュ。
レジャーシート。
日除けパラソル。
日焼け止めクリーム。
こないだ買った麦わら帽子。
忘れ物は……ない。
「かなで、そろそろ行くよ」
「うん。ちょっと待って」
かなでは、八歳になった。変わらず赤色のランドセルを背負っている。
私は、三十二歳になった。あと、七十五年、生きなければならない。