もう一度だけでも逢えるなら
6 彼との同棲生活の始まり
 玄関で待っていてくれたまなちゃんに、ただいまの挨拶をして、ドアを全開に開けた。

「お邪魔します」
 水樹はブーツを履いたまま、部屋に上がった。

 靴が脱げないことはわかっているので、もう驚いたりはしない。

「好きなように寛いでくださいね」

「はい。テレビを見てもいいですか?」

「いいですよ」

 水樹はリモコンを操作できないので、私がリモコンを操作する。

「何か見たい番組はありますか?」

「スポーツ中継をお願いします」

「高校野球でもいいですか?」

「いいですよ」

 水樹はテレビを食い入るように見ている。ずっとテレビと遠ざかっていたからだと思う。

 その間に、私はシャワーを浴びた。

 暑い日は、下着姿でうろうろしている。

 部屋に水樹がいるので、Tシャツを着て、短パンを履いた。
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