もう一度だけでも逢えるなら
「水樹は、明日の朝、何時に出かけるんですか?」

「六時に出かけます」

「それなら、明日から五時半に起きます」

「僕のために、すみません」

「いいんですよ」

 私がドアを開けないと、水樹は外に出られない。

 明日から、五時半起き。

 強力な目覚まし時計を五時半にセット。

「起きられなかったら、起こしてもらえますか」

「いいですよ」

 水樹は眠らないので、部屋の照明とテレビを点けたまま、ベッドに入った。

「おやすみなさい」

「おやすみなさい」

 水樹とおやすみの挨拶を交わして横になった。

 おやすみのキスができないのが残念。

 ちょっと眩しいけど、今日はいっぱい歩いたから、ぐっすり眠れそう。

 早く眠れるように、おばあちゃんが一人。おばあちゃんが一人。おばあちゃんが一人。おばあちゃんが一人。おばあちゃんが一人。おばあちゃんが一人。おばあちゃんがひ……
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