苦く 甘い香りのふところ
「ん………」
「んー、杏?」
「はっ、たこ、大丈夫?」
「うん、あんは?」
「平気」
「ここどこ?私たち、どうなった?」
「話してる途中で、なんか、口元塞がれて、そこから記憶ない」
「ドラマでよく見るあれじゃない?ハンカチで口塞がれて薬嗅がされるやつ」
「まじで?」
「お嬢ちゃんたち、捕まってるって言うのに、よくおしゃべりできるね、さすがあいつらが相手した、女だけあるよ」
「あなたたち誰?」
私たちの前には、見知らぬ男が数人いた。
「まさかとは思いますけど、その人数で私たちどうにかしようとか考えてます?」
「はははっ、おもしれー、安心しろ、殺したりしねーよ、ただ、いけない態度とっちゃったらどうなるかわかんないけどね」
「場合によりますよ、私、別に怖いとかないんで」
「あん、大丈夫なの?」
「私たち女子2人相手にこの人数だよ?相当自信ないんでしょ」
「てめー、誰の女だ」
「誰の?私別に彼氏いないですけど」
「その様子だと、咲人かな」
「咲人…菅野のことですか」
「なんだ、やっぱり知ってんじゃん、隣のお嬢ちゃんも、知ってるよな?」
「なんで私たちのこと捕まえたんですか?私たちのこと知ってるんですか?」
「あー、君たちさ、あの暴走族と、○○の店でなんかしてたっしょ、それをこいつが見ててね」
と、グループの中から1人でてきた