苦く 甘い香りのふところ




「ん………」

「んー、杏?」

「はっ、たこ、大丈夫?」

「うん、あんは?」

「平気」

「ここどこ?私たち、どうなった?」

「話してる途中で、なんか、口元塞がれて、そこから記憶ない」

「ドラマでよく見るあれじゃない?ハンカチで口塞がれて薬嗅がされるやつ」

「まじで?」



「お嬢ちゃんたち、捕まってるって言うのに、よくおしゃべりできるね、さすがあいつらが相手した、女だけあるよ」


「あなたたち誰?」

私たちの前には、見知らぬ男が数人いた。

「まさかとは思いますけど、その人数で私たちどうにかしようとか考えてます?」

「はははっ、おもしれー、安心しろ、殺したりしねーよ、ただ、いけない態度とっちゃったらどうなるかわかんないけどね」

「場合によりますよ、私、別に怖いとかないんで」

「あん、大丈夫なの?」

「私たち女子2人相手にこの人数だよ?相当自信ないんでしょ」

「てめー、誰の女だ」

「誰の?私別に彼氏いないですけど」

「その様子だと、咲人かな」

「咲人…菅野のことですか」

「なんだ、やっぱり知ってんじゃん、隣のお嬢ちゃんも、知ってるよな?」

「なんで私たちのこと捕まえたんですか?私たちのこと知ってるんですか?」

「あー、君たちさ、あの暴走族と、○○の店でなんかしてたっしょ、それをこいつが見ててね」

と、グループの中から1人でてきた
< 20 / 55 >

この作品をシェア

pagetop