苦く 甘い香りのふところ
「確かにいましたけど、私、あなたたちのことが知りたいんです」

「あら、興味津々か、案外可愛い子だな」

「あん、こっから出よう」

「あー、ダメダメ、外出れてもそっから帰ることできないから。僕のお友達いるんでね」

「ふっ、まだ、いるんだ」

「ごめんねー、1人じゃ何にもできなくて」

「私たちまだ高校生なんです。明日も学校あるから、早く帰りたいんですけど」

「だったらそのお口で、助けてって言うんだな、咲人君に」

「は?なんで、私が、別に怖くないって言ってんじゃん」

「でも早く帰りたいんでしょ?」

「あん、電話しよ、咲人君なら絶対来てくれる。」

「でも…」

「ほらよ」
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