苦く 甘い香りのふところ
「…………」
「…怪我ねーか」
「なんで」
「は?なんでって、数分前に電話して来たのお前だろ?」
「なんで来たの、ほんとに来ると思わなかった」
「おれのせいで関係ない奴巻き込みたくなかったからな、まぁ、結局巻き込んじまった、悪い」
「おまえ、見ねー間にまた強くなったんじゃねーか、さすがはヒーローだな、おまえがこの女選ぶのも無理ねーわ」
「もう、こいつらに手出すんじゃねー、おれらはもう、決着ついてんだろうが」
「おれはそうは思ってねーんだよ、でも、今お嬢ちゃんは力無いみてーだからやめよーぜ」
「こいつは女だ、おまえらの相手する力なんてあるわけねーだろ」
「いーや、わかんねーぞ、頭は良く働く奴だから喧嘩もできっかもな、じゃ、おれら帰るわ」