苦く 甘い香りのふところ
「おれ、兄貴がいたんだ、死んだけど」

「亡くなったの?」
「あぁ、バイクの事故でな」
「え」
「今、俺がいるグループ元々は兄貴が作り上げたものだったんだ。でも、彼女ができてから足を洗うって聞いて、、、おれは元々、グループに入るつもりなかった。お前のいうとおり、好意で喧嘩してるわけじゃねぇ、全部お前が思ってるとおりだ」

「そうなんだ」
「で、2年前、兄貴、彼女をバイクの後ろ乗っけて、事故って死んだ」

「………………う、うそ」

「それで、おれ、兄貴のためにも、グループに…とおもって、」

「………さとる、さん」

「は、おまえ、なんで兄貴の名前、誰かから聞いたのか?」

「やっぱり、そうなんだ、、

さとるさんの彼女さん、、わたしのお姉ちゃんだったの」

「は?」
「お互いのきょうだいが付き合ってたなんて、ね」

「まじか、、、あ!じゃー、…これ」
「あ、わたしと一緒のマフラー」
「これ、兄貴が買ってきてくれたんだよ」
「わたしも、お姉ちゃんが買ってきてくれた…同じ時にもらってたんだね、きっと」
「あぁ、運命、だな」
「うん笑」

私たちはびっくりしたけど、笑ってしまった、笑うことしかできなかった、その時、合コン以来の咲人の笑顔を見ることができた
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