甘い白鳥
そこまでの記憶は絶対的なんだ。


その先は微かで。


微かな記憶を辿ると、


それから2,3年後、


誰か、知らない小父さんが来て、


私を引き取ろうとした。


でも私は「嫌」とは言わなかった。


その頃の私は、もうお母さんなんて


待ってなくて。別に良くて。諦めてて。


そのまま連れてかれた。


その時の私は、「誰か拾って」って


張り紙の付いてる


ワンちゃんみたいだった。
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