甘い白鳥
夢を見た。


一輪の白いバラが咲いている庭。


そしてそこには、幸せそうな、


私と顔が見えない誰か。


多分健太だと思う。


でも、時が経つに連れて、


そのバラは、凍っていく。


いくら水をあげても、


いくら愛情を入れても。


どんどん透明に。・・・・・


「・菜々・・?起きろよ。」


『ん・・??』


「何寝てんだよ。ったく。


 親、心配すっぞ。」


『あれ?寝てた??』


「ああ。思いっきりな。」


あれ?さっきの意味不明な夢、


何だったんだろう??


まぁ、いいや。


「今、9時だぞ? 帰れよ。」


『うそぉ!もう??帰る!!』

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