冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「自由? お前はなにを想像しているのだ?」


あれ、違った?


「まぁいい。とにかく、間違えるでないぞ」


もう一度念を押した彼は、私の肩を強く抱きしめ、再び空を見上げる。


「お前と、平和な世界が見たいな。いつでもこうして青空を見上げていられる世界を」


兵を出せば敵をばさばさと切り捨てるという彼も、本当は戦いなどしたくないのかもしれない。


「シャルヴェさまなら、そういう世界を作れますわ」

「そうだろうか」

「はい」


私が返事をすると、彼はもう一度肩に置いた手に力を込めた。



たくさんの桜桃を持って帰ると、コールが驚いている。


「まぁ、こんなに熟れた桜桃、どちらで?」

「街に行く途中の小高い丘の上よ。シャルヴェさまが取ってくださったの」


私が説明をすると、コールが黙ってしまった。
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