冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
あれ、私……また失敗した?


「コール?」

「王太子さまと打ち解けられたんですね。よかったですわ……」


彼女にそう言われて気がついた。
『シャルヴェさま』と言ってしまったんだ……。

さつきお仕置きと言われたばかりだから、そう呼ばなくてはと思い込み過ぎた挙句のことだけれど、コールの前では必要なかったかも。


「あわわ、これはその……なんというか……」

「どうして慌てていらっしゃるんです? 私はうれしいんですよ」


シャルヴェさまと私の距離が近づくと、コールもうれしいの?

バスチューもエドガーも、そう言ってくれたけれど、皆、私がここにいてもいいと思ってくれているのかしら。


「リリアーヌ。そなたは少し休憩だ」


王宮の玄関口でコールと話していると、シャルヴェさままでやってきて、私の腰を抱く。
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