冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい

「はい」


はしゃぎ過ぎて少し疲れたかも。でも今日は本当に楽しかった。


「コール。リリアーヌの部屋に医者をよこせ」

「かしこまりました」


医者を呼ぶほどは疲れていないのに。


「シャルヴェさま。私は大丈夫ですよ」

「傷の具合も確認してもらったほうがいい」


シャルヴェさまはちょっと過保護だと思う。
サノワにいた頃はクタクタに疲れるなんて当たり前だったし、傷の手当ても自分でしていた。

今回のヤケドはひどかったとはいえ、毎日診察してもらわなくても大丈夫なのに。


ゆっくり歩いてくれるシャルヴェさまと共に部屋に戻り、ベッドに横たわると、すぐに医者がやって来た。

シャルヴェさまは出ていくのかと思いきや、治療に立ち会うという。


「リリアーヌさま、痛みはいかがです?」

「はい。随分よくなりましたが、歩くと少し痛みます」

「そうですか……」
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