冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
コールがそうフォローしてくれたけれど、皆は目をパチクリして固まっている。


「まぁ、そのうちわかりますわ。さぁ、パンを作りましょう。あとでリリアーヌさまが取ってきてくださった桜桃でジャムもこしらえますよ」


コールがうまく取り持ってくれたので、そのままパン作りに参加できることになった。


「それでは……リリアーヌさまはまずはご覧になっていてくださいませ」


ガエルは不安げな顔をしながらも、手を動かし始めた。


「あら、干し葡萄の酵母ね。私もよく作ったわ」

「は……」


私が酵母を見つけてそう言うと、皆の手が止まる。


「酵母なんてご存じで……」

「えぇ、もちろん。リンゴやイチゴでも作ったわ。よくカビさせてしまって、母に呆れられたけど」


また余計なことを言ったかしら?
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