冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
シャルヴェさまが優しく問いかけたにも係わらず、男の子は目に涙をいっぱいにして震えている。

あんなにすさまじい形相で『処刑』という言葉を口にし、腰に剣をさした大きな彼を目の前にして、怖くないわけがない。


「王太子さま。私が話をしてもいいですか?」

「そうだな。そうしてくれ」


シャルヴェさまはそう言うと、立ち上がり少しうしろに下がってくれた。
彼も男の子が自分を恐れていることに気がついたのだ。


「怖がらなくていいのよ。王太子さまが話を聞いてくださるわ。なにをとってしまったのかしら」


震えている小さな子がとっさに詳しく話せるわけがないと思った私は、質問をすることにした。

けれど、顔面蒼白の男の子は、言葉が出てこない。
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