冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ヤニックの気が変わらぬうちにと、早速私はシャルヴェさまのもとへと向かった。
彼に許可を得なければ、勝手なことはできないからだ。
シャルヴェさまは、昼間は王宮の東側にある執務を行っている部屋にいることが多い。
部屋を出て長い廊下を歩き始めたけれど、この時間は掃除を担当している女性たちも休憩中で、しーんと静まり返っている。
やがて正面玄関まで行くと、門兵がひとりの男を連なって歩いていた。
「リリアーヌさま。この者が王太子さまに頼まれ、リリアーヌさまのお召し物に使う布を持ってきたと言っております」
「私の?」
そんな話は聞いていない。
でも、シャルヴェさまの心遣いがありがたかった。
「そうですか。丁度王太子さまのところに行こうと思っていましたので、私がご案内します」
門では厳しく身柄や持ち物を調べられる。
ここにいるということは、それらをクリアしたということだ。
彼に許可を得なければ、勝手なことはできないからだ。
シャルヴェさまは、昼間は王宮の東側にある執務を行っている部屋にいることが多い。
部屋を出て長い廊下を歩き始めたけれど、この時間は掃除を担当している女性たちも休憩中で、しーんと静まり返っている。
やがて正面玄関まで行くと、門兵がひとりの男を連なって歩いていた。
「リリアーヌさま。この者が王太子さまに頼まれ、リリアーヌさまのお召し物に使う布を持ってきたと言っております」
「私の?」
そんな話は聞いていない。
でも、シャルヴェさまの心遣いがありがたかった。
「そうですか。丁度王太子さまのところに行こうと思っていましたので、私がご案内します」
門では厳しく身柄や持ち物を調べられる。
ここにいるということは、それらをクリアしたということだ。