冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「シャルヴェ」
彼の部屋に行こうと長い廊下を歩きはじめると、角を曲がったところで彼を見つけ声をかける。
「リリアーヌか。ランシャンには聞こえなかったみたいだ。なにも言われなかったぞ」
そんな報告はいらない。
恥ずかしくて目が泳ぐ。
「食事、一人分じゃないか。お前の分は?」
これが自分のものだと思っている彼は不思議そうな顔をする。
「あの、これは国王さまの分なんです」
彼はすぐに私がこうして持ってきたことの意味に気がついたらしく、小さくうなずく。
「一緒に、行くか?」
「はい!」
私が笑顔で返事をすると、シャルヴェも微笑んだ。
国王さまの部屋は、彼の母と兄が焼死したという一番東の部屋の上にあった。
その部屋の前にはふたりの兵が完璧に武装して立っており、物々しさを感じる。
シャルヴェの部屋の前の護衛より厳重だ。
彼の部屋に行こうと長い廊下を歩きはじめると、角を曲がったところで彼を見つけ声をかける。
「リリアーヌか。ランシャンには聞こえなかったみたいだ。なにも言われなかったぞ」
そんな報告はいらない。
恥ずかしくて目が泳ぐ。
「食事、一人分じゃないか。お前の分は?」
これが自分のものだと思っている彼は不思議そうな顔をする。
「あの、これは国王さまの分なんです」
彼はすぐに私がこうして持ってきたことの意味に気がついたらしく、小さくうなずく。
「一緒に、行くか?」
「はい!」
私が笑顔で返事をすると、シャルヴェも微笑んだ。
国王さまの部屋は、彼の母と兄が焼死したという一番東の部屋の上にあった。
その部屋の前にはふたりの兵が完璧に武装して立っており、物々しさを感じる。
シャルヴェの部屋の前の護衛より厳重だ。