冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ユノヘスの未来に
それからひと月。

ランシャンが取り仕切り、無事に王位継承の儀式が終わった。
もちろん、シャルヴェはシャルヴェとして、王位を継承したのだ。

ただし、国王さまにだけはジルベールが王位についたと報告してある。


シャルヴェの苦しい胸の内に、お尻をペンペンしながら見守ってきたランシャンももちろん気づいていて、彼が王位継承を宣言した瞬間、目頭を押さえていた。


「シャルヴェさま。国民が宮殿に押しかけています」


バスチューがいなくなり、彼の代わりのような役割をしているエドガーがそう伝えに来た。


「何事だ?」

「はい。シャルヴェさまの王位継承をお祝いしたいと」


一瞬、険しい顔をしたシャルヴェだったが、それを聞いて頬を緩めた。


「そうか。それならば参ろう」


彼はそう言いながら、私の腰に手を回して促す。
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