冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「我が結婚も、国民に宣言するぞ」

「シャルヴェ、それは……」


まずは王位継承が先だと、結婚式は先延ばしにした。
それでも、もう身も心もつながった今、私は少しも不安ではなかった。

だから、今は王位継承のことだけで、結婚は式の日取りが決まってからでもいいのでは?と思ったけれど……。


「宣言したいのだ。じゃじゃ馬を手なずけたとな」

「ちょっと、シャルヴェ!」


私は口を尖らせ怒ってみせたけれど、シャルヴェは「あはは」と高らかに笑う。
それでも、仮面をかぶったように表情のなかった彼が、こうして声を上げて笑っていることがうれしかった。


それからエドガーに連れられ、宮殿の見晴らし台まで行くと……。


「シャルヴェ、すごい人よ!」


王宮前の広場には溢れんばかりの人々が集まってきている。
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