冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
顔をクシャクシャにして泣き始めた男の子をあやすように、必死に声をかける。
「でも……」
けれど、しゃくりあげ始めた男の子は泣き止む気配もない。
「もう傷痕も残ってないのよ。ほら」
私はヤケドの傷の残る右足ではなく、左足の裾をあげ、男の子に見せる。
「本当だ……」
「ね? だから泣かなくてもいいの」
「僕、王妃さまを守れる兵になる。絶対にリリアーヌさまを守るから」
まだ幼い男の子から、熱烈な愛の告白を受けたようで、少し照れてしまった。
「ありがとう。でもね、ユノヘスはシャルヴェさまが平和な国へとお導きになるわ。だからあなたはご両親の手伝いをして立派な大人になりなさい。いつか、国を守らなければならない事態になったときは、お願いするからね」
「うん!」
笑顔が戻った男の子は、何度も振り向いて手を振りながら、エドガーに伴われ離れていく。
「でも……」
けれど、しゃくりあげ始めた男の子は泣き止む気配もない。
「もう傷痕も残ってないのよ。ほら」
私はヤケドの傷の残る右足ではなく、左足の裾をあげ、男の子に見せる。
「本当だ……」
「ね? だから泣かなくてもいいの」
「僕、王妃さまを守れる兵になる。絶対にリリアーヌさまを守るから」
まだ幼い男の子から、熱烈な愛の告白を受けたようで、少し照れてしまった。
「ありがとう。でもね、ユノヘスはシャルヴェさまが平和な国へとお導きになるわ。だからあなたはご両親の手伝いをして立派な大人になりなさい。いつか、国を守らなければならない事態になったときは、お願いするからね」
「うん!」
笑顔が戻った男の子は、何度も振り向いて手を振りながら、エドガーに伴われ離れていく。