冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
その様子に笑顔で応えた私の隣に立つシャルヴェは、「お前は本当に優しいんだな」と褒めてくれる。


「そうですか?」

「そうだ。そして聡明だ」


とっさに左足を見せたことを言っているのだろう。


「ありがとうございます」


素直にお礼を言ったものの、彼は「だが!」となんだか不機嫌になる。


「どうされたんです?」

「ライバルが増えたではないか。お前を守るのは俺の仕事だ」

「えっ……もしかして、嫉妬してくださるの?」


あんなに幼い男の子に?
私はおかしくなって、思わず吹き出してしまった。


「なにがおかしい。お前の白い肌を見られるのは、俺だけでいいんだ」


あっ、もしかして、足を見せたことを怒っているの?


「それは、あの……」

「お前は俺を煽るのがうまいな」

「えっ……」


ニヤリと笑ったシャルヴェはいとも簡単に私を抱き上げる。
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