わかめ女子のしょっぱい日々
わかめちゃんの日常
ふとした瞬間に思い出す。
死んだおばあちゃんが入院中、私と二人きりになった時こっそり私にぼやいた一言。
「生まれ変わったらお父ちゃんとは結婚しとうない」
おばあちゃんの言う『お父ちゃん』とは、おじいちゃんのことだ。
少し茶化すように、それでいてどこか遠くを見つめていたおばあちゃんの顔が今でもはっきり浮かんで来る。
幼いながらに、それはそれは衝撃的な一言だったけれど、きっと私の知らないことが二人の間にあったのだと思った。
私はおばあちゃんに同意して頷くことも、ごまかすように笑ってあげることも、ましてやわからないフリをしてあげることすら出来ずに呆然としていた。
私は子供だったのだ。
あれから十数年、私は大人になった。