いつも雨だった‥‥
そんな会話から何日か経った
秋の日
相変わらず2人してうちんちでグダグダ
━ ━ ピリリリリ ♪ ♪ ♪ ━
莉桜の携帯が鳴った
「もしもし〜 ‥‥……」
うちの様子をチラチラ伺いながら
「…………あ、うん……でも……
わかった……連れていくね?
じゃあ、あとでね」
……ん???
連れていく??どこへ??
『何?うち連れて行かれんの?』
「あ。聞こえてた?そう先輩が路上ライブしてるからなると駅に来いって〜」
『は?だるいし。』
うちんちから駅までは少し距離がある
だから、莉桜も即答しなかったんだな
まあ、でも……
『暇だし行っちゃう?』
「やったね〜いや〜どう説得しようか考えてたんだよね〜笑」
なんて適当なこと言いながら
テキパキと化粧や身支度を整えていく莉桜
莉桜は 茶髪のロング で小さくて
パッと見ハーフ?って思うくらい
お人形さんみたいに可愛くて
目がくりくりした女の子
性格は全く別だけど……笑
うちは 金髪で肩くらいまでの髪で
顔も性格も普通の女の子
よく、愛嬌はあるねって言われるけど
それも人見知りあるから人による
なんだかんだで駅についたら
見慣れない顔が多数の中に
莉桜に電話してきた 先輩 発見
「おせーよ。お!なる久しぶり」
『久しぶり〜何この人の多さ。こんなに人が居るとか聞いてないんだけど。』
「あの奥にいる金髪の人わかる?あの人東京で音楽してて久しぶりにこっち帰って来たからみんなで集まろ〜って感じになってさ〜」
なんてグダグダ説明してる先輩
莉桜に電話してきた奴
陽平 うちらの一つ上のヤンキー(笑)
いい人なんだけどね
(脇役なので説明手短に)笑
『へ〜金髪。あ、あの人か』
チャラそう……
これがしょたんに対する初めての印象
金髪で髪はちゃんとセットされてて
眉毛のとこ口、耳 に
痛くないのかな?とか
思うくらいのピアス量
(へぇ〜音楽とか興味ないな〜・・・)
なんて思いながら陽平が説明した人を
無意識にガン見してたみたいで
━ ━ パチッ て 目が合ってしまった
やばっ て思いながらも
笑顔で軽く会釈したのに フルシカト
イラっ……
と、したけど
周りの友達と喋って笑ってるその笑顔に
どんどん見入ってしまって……
かっこいい……なんて思ってしまった
その気持ちに
はっ!? ってなった瞬間横から
「かっこいい……」って声が聞こえて
え、莉桜も!?って焦ってたら
「ねぇ、あの金髪の人の横の人めっちゃかっこよくない?誰?ねぇ!!」
ってすごい勢いで
莉桜に体を揺さぶられた
「あー、あの人は真央くん。俺の3つ上だからお前らの4つ上だな」
と、淡々と説明する陽平
へー‥‥あの人4つ上なんだ……
ってことは20歳か……見えない
真央くんと呼ばれる人は
茶髪でくっきり二重の可愛い顔
幼く見える容姿だからそんなに離れてると思わなかったな……
「陽平!何この子達〜可愛いね。紹介してよ!」
ってさっきうちらが噂してた真央くん
「あ、ピンクの服着てる子が莉桜で……グレーの服着てるのが なる 俺の1つ下の後輩です。人集めろ言われたんで俺が呼びました」
おい。人集めのためだったんかい。
とツッコミいれたかったがそんな空気じゃなかったので……
「なるちゃん、莉桜ちゃんよろしくね?」
「はい、お願いします♡」
可愛い莉桜ちゃんの登場
語尾に♡なんかつけちゃって……
『よろしくお願いします』
挨拶を終えた瞬間から莉桜は真央くんに絡み出した
そんな2人の会話にはいることが出来ず
駅のベンチに座って待ってた
だけど、めっちゃ寒い!!!
まだ10月なのに……
もっと厚着してくるべきだったな
この時うちの格好は
キャミソールの上に
七分袖の肩がでる羽織もの?に
ジーンズのショーパン
『うわ、まじで寒い……』
って1人凍えてたら
「そんな格好で来るからだろ。これ着とけば?」
って 後ろからシャツをかけられた
『え……でも……』
って振り返ったら
そこには今日の主役のはずの
金髪さんが立ってた
『……金髪……じゃなくてお兄さんが寒くなっちゃうから大丈夫ですよ』
「いや、いいって。目の前で肩出されてる方が寒いから着とけ。
それと、金髪でもお兄さんでもなくて翔瑚。菊池翔瑚。」
『あ、藤原 成美です』
翔瑚……
これが2人の初めての会話だったね
しょたんは覚えてる?
この時からうちはしょたんの魔法に
かけられてたのかな?