キミゾラ
入学式の一切が終わると、またはしゃぎだす1年生達と、微笑む親達。やはりこれが親子の微笑ましいところなのだろう。


恭も、教室に入るや否や、自分の席を探し出す。あの時の感嘆の表情が一変、無邪気に変身したとき、一人の女子が、恭にわくわくした声で話しかけた。


「きょうくん、だよね?ハイ、どぉぞおとしたよ」


急に話しかけられた動揺で、後ろに後ずさりしてしまったが、落し物をしたことに自分でも気づいていなかったのでぺこりとお辞儀をしながら受け取った。


それは、彼が園児の時から宝物だった飛行機のおもちゃだった。インフルエンザにかかったときから、肌身離さず持っていた、恭の宝物ともいえる存在だ。
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