一輪の花を君に。
「どうした?何か、予定あった?」



「いや、ないんですけど…」



いきなり、病院に行くとか怖い。



絶対、診察とかされるでしょ。




それで、結果が悪かったら治療されて、入院を強制される?





そんなのは絶対に嫌だ。




やっと、旅立てるのに皆に心配をかけられない。



ようやく、先生達に迷惑をかけずに生きられる道ができたと思ったのに。






「ちょっと?美空?」





七瀬先生は、私の顔を覗き込んだ。





私は、少し覚悟を決めて聞いてみた。





「あの…明日ってもしかしたら診察とかされるんですか?」





「初診はすると思うよ?…どうして?」






「いや、何も。」






「体調悪い?」






最近は、運動したくらいですぐに咳が起きたりしていた。





でも、それは七瀬先生には伝えてなかった。




だからこそ、明日の診察が嫌だった。





「その…怖くて。」






気づいたら、私はそう言葉にしていた。





「怖い?」




「もし、明日の診察でなにかあったら、治療とかされますよね?」
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