一輪の花を君に。
「場合によってはね?」



「…はぁ…。」



私は、思わずため息が漏れた。



「美空、もしかして何か私に隠してることあるでしょう?」





だよね。






やっぱり、言わなきゃいけないよね。






「私、最近は少し走ったり階段登ったりすると息が出来なくて、苦しくて咳が出ることがあって…。」





「やっぱりか…。」





「え?」





もしかして、気付いてたの?





「私は、美空の主治医である前に、お母さんの代わりでもあるのよ?娘の変化に気づかないわけないじゃない。」





「でも、朝の診察とかだと…」





「たしかに、夜中に発作は起きてないみたいだったから、喘鳴はなかった。綺麗な音だったから、喘息が頻繁に起きていたことに気付かなかった。

これは、本当にごめんね。


でも、最近の美空は元気なかったでしょ?


だから、体調のことをまた隠したりしてるのかなって思ってたの。」




「そう…だったんですか。」





「でもね、これから通院を増やしてちゃんと吸入すれば、落ち着くと思うから通院の回数を増やそうか。」




「はい。」

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