一輪の花を君に。
千鶴先生は、そういうと私をソファーに座らせてから朝食作りの準備を始めた。



私は、少しだけ心が軽くなった気がした。



1人で考えていても、仕方がない。



誰にも、病気のことは打ち明けて来なかった。




それは、みんなに迷惑をかけると思って、話せなかった。




けど、それは私の思い込みに過ぎなかった。




千鶴先生は、ちゃんと私達のことをちゃんと見ていたことに改めて気づいた。





それもそうだよ。私達のお母さん的役割だったんだから。




「あ、美空。こんなところにいたの?」



目を擦りながら、香音が起きて来た。




「おはよう。」





「おはよう。そういえば、大翔が昨日美空のこと心配してたけど、どうかしたの?」




「大翔が?」




「うん。体調悪かった?」





「いや?昨日は悪くなかったけど…」




「そうなんだ。」




しばらくしてから、七瀬先生と大翔が起きて来た。





「おはようございます。」




「美空、今日いつでもいいから時間あるか?」




大翔はいつになく、真剣な表情をしていた。



少し、不安になったけど、私は頷いた。





「よかった。」




安心したかのように、大翔は私の髪を整えるように撫でてから、キッチンへと向かった。





「香音と大翔。今日は、美空のこと休ませるから学校のプリントとか持って帰ってもらえる?」




「いいけど、美空体調悪いの?」




「え…その…」





私は、香音からの唐突の質問をされ、あたふたしていると、





「分かりました。持ち帰ってきます。」




大翔が咄嗟にそう言ってくれたから助かった。







「それじゃあ、大翔よろしくね。」





「はい。」

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