一輪の花を君に。
「美空…美空!」



「先生…?」



ここは…どこ?



てか、私何かあったの?




「美空?大丈夫?」




「七瀬先生…ここは?」




「昨日の夜、話したよね?ここは、中森総合病院の呼吸器内科。」




「そっか…」



「目、覚ましたかい?」




私は、七瀬先生の反対側に座っている男性に気付かなかった。





怖い…。




白衣を身にまとっているものの、やっぱり大人の男性は正直言って嫌いだ。




「美空、しっかり!」




傍からでも分かるくらいに、私の喘鳴はひどくなっていた。




次第に呼吸が苦しくなって、男性が背中に手を当てた時、私は過去の記憶が一気にフラッシュバックをした。




「嫌!」





私は、気づいたらその先生の手をを払い除けてから、点滴台を倒していた。





「やめるんだ!」





部屋中に響き渡る、その男性の声。





私は、背中がビクッとなり私は冷静さを完全に失った。





苦しい…。




こんなの、久々。




忘れかけていた感情が、再び私を苦しめていった。






七瀬先生と、その男性の先生は何か言ってる。





けど、そんなことを聞く余裕はなく私は再び意識を失っていた。
< 21 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop