一輪の花を君に。
ーside中森ー
俺は、いつも通り外来の診察の準備をしていた。
すると、いきなりPHSが鳴った。
それは、七瀬先生からの連絡で相手は俺が新しく任された、榎本美空ちゃんが急な発作を起こしたという連絡。
俺は、急いで美空を受け入れる準備を始めてから、美空と七瀬先生が来るのを待った。
しばらくしてから、美空は意識がないまま運ばれてきた。
まずいな。
顔が真っ青になっている。
酸素も血液に行き渡っていない。
「冴島さん。急いでバイタル測って。」
「はい。」
冴島さんと、七瀬先生と協力しながらも、何とか美空の容態は安定してきた。
目を覚ますまで、美空のそばで見守っていると七瀬先生に不思議なことを言われた。
「中森先生、美空の事なんですけど…」
「はい?」
「実は、美空。まだ、1つだけ乗り越えていないことがあって…。」
「乗り越えていないこと?」
「はい。美空は、過去に父親のDVを受けてきました。だから、きっと。美空は、未だに大人の男性が怖いんだと思います。」
父親からのDV?
それもそうだよな、身体中には痛々しいあざがまだ残っている。
それだけ、美空は身体にも心にも深い傷を負わされた。
きっと、怖かったに違いない。
けど、俺は諦めたくなかった。
「俺は、いくら怖がられてもいい。でも、美空のことを助けたい。」
「中森先生…。」
「七瀬先生は、小児科のエースなんだから。ここは、大人の男性の恐怖に打ち勝つためにも、俺にその役目をやらせてくれないか?」
「いいんですか?」
「実は、心のどこかで少しは覚悟を決めていたんだ。もしかしたら、そういう可能性だってある。だからと言って、それを理由に美空から逃げたくはないけど。」
「中森先生、美空のことしっかり頼みますよ。」
「任せて下さい。」
俺は、いつも通り外来の診察の準備をしていた。
すると、いきなりPHSが鳴った。
それは、七瀬先生からの連絡で相手は俺が新しく任された、榎本美空ちゃんが急な発作を起こしたという連絡。
俺は、急いで美空を受け入れる準備を始めてから、美空と七瀬先生が来るのを待った。
しばらくしてから、美空は意識がないまま運ばれてきた。
まずいな。
顔が真っ青になっている。
酸素も血液に行き渡っていない。
「冴島さん。急いでバイタル測って。」
「はい。」
冴島さんと、七瀬先生と協力しながらも、何とか美空の容態は安定してきた。
目を覚ますまで、美空のそばで見守っていると七瀬先生に不思議なことを言われた。
「中森先生、美空の事なんですけど…」
「はい?」
「実は、美空。まだ、1つだけ乗り越えていないことがあって…。」
「乗り越えていないこと?」
「はい。美空は、過去に父親のDVを受けてきました。だから、きっと。美空は、未だに大人の男性が怖いんだと思います。」
父親からのDV?
それもそうだよな、身体中には痛々しいあざがまだ残っている。
それだけ、美空は身体にも心にも深い傷を負わされた。
きっと、怖かったに違いない。
けど、俺は諦めたくなかった。
「俺は、いくら怖がられてもいい。でも、美空のことを助けたい。」
「中森先生…。」
「七瀬先生は、小児科のエースなんだから。ここは、大人の男性の恐怖に打ち勝つためにも、俺にその役目をやらせてくれないか?」
「いいんですか?」
「実は、心のどこかで少しは覚悟を決めていたんだ。もしかしたら、そういう可能性だってある。だからと言って、それを理由に美空から逃げたくはないけど。」
「中森先生、美空のことしっかり頼みますよ。」
「任せて下さい。」