一輪の花を君に。
「中森先生、美空はきっと大丈夫。」
千鶴先生が来てから、俺と七瀬先生は廊下に出た。
「美空は、他人である大人には誰にも心を開いてこなかった。小児科でいる時でさえ、私以外の先生の名前なんて呼んだりしなかった。今でもそう。うちの施設には、担任制があるんだけど、美空の担任である西条先生っていう人と、さっきの施設長である、千鶴先生と私にしか心を開いてないの。たしかに、美空はうちの施設に来てからは、変わった。少しだけどやっと笑うようになった。」
「それまでは…笑わなかったんですか?」
「えぇ。笑うどころか、話すことも泣くことも怒ることもなくて、まるで人形みたかった。感情がなくて、声が出せなくなっていたの。失語症ね。10年前だったから…5才の時かしら。あの時の美空は、最年少じゃないのに1番小さくて軽かった。今でも、成長に影響して身長は146cmしかないわ。体重も、低体重。だから、栄養に関しては1番気にかけないといけない子なの。それくらい、あの子は心に深い傷を負った。今でもそれは、残ってる。けど、今日の美空を見ていたら、中森先生に任せても大丈夫そうです。」
「美空とは、ゆっくり時間をかけて、距離を縮めていきます。俺は、絶対に美空から逃げません。俺にとっても、大切な少女だから。」
「ありがとうございます。」
七瀬先生の話を聞いて、俺はさらに美空を守っていきたいと思った。
俺は、その後外来へと向かった。
千鶴先生が来てから、俺と七瀬先生は廊下に出た。
「美空は、他人である大人には誰にも心を開いてこなかった。小児科でいる時でさえ、私以外の先生の名前なんて呼んだりしなかった。今でもそう。うちの施設には、担任制があるんだけど、美空の担任である西条先生っていう人と、さっきの施設長である、千鶴先生と私にしか心を開いてないの。たしかに、美空はうちの施設に来てからは、変わった。少しだけどやっと笑うようになった。」
「それまでは…笑わなかったんですか?」
「えぇ。笑うどころか、話すことも泣くことも怒ることもなくて、まるで人形みたかった。感情がなくて、声が出せなくなっていたの。失語症ね。10年前だったから…5才の時かしら。あの時の美空は、最年少じゃないのに1番小さくて軽かった。今でも、成長に影響して身長は146cmしかないわ。体重も、低体重。だから、栄養に関しては1番気にかけないといけない子なの。それくらい、あの子は心に深い傷を負った。今でもそれは、残ってる。けど、今日の美空を見ていたら、中森先生に任せても大丈夫そうです。」
「美空とは、ゆっくり時間をかけて、距離を縮めていきます。俺は、絶対に美空から逃げません。俺にとっても、大切な少女だから。」
「ありがとうございます。」
七瀬先生の話を聞いて、俺はさらに美空を守っていきたいと思った。
俺は、その後外来へと向かった。